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『デジタルゲームの技術』出張編

「神作画」への挑戦 ~「NARUTO-ナルト- 疾風伝  ナルティメットストーム2」~

松井 悠(編集部) 2011-06-22
『デジタルゲームの技術』出張編

2011年7月にソフトバンククリエイティブから発行される予定の『デジタルゲームの技術 開発キーパーソンが語るゲーム産業の未来』。全9人によるインタビュー集となるこの書籍の内容を抜粋してお届けしていきます。

第1回目となる今回は、「神作画」への挑戦~「NARUTO―ナルト― 疾風伝 ナルティメットストーム2」~」と題して行われた、株式会社サイバーコネクトツー リードアーティスト竹下 勲さん、株式会社サイバーコネクトツー ゼネラルマネージャー / サイバーコネクトツー東京スタジオ 責任者渡辺 雅央さんのインタビューを掲載します。

「.hack」シリーズや「NARUTO-ナルト- ナルティメット」シリーズの開発元として知られ、2011年に設立15周年を迎えた株式会社サイバーコネクトツーは、福岡県に本社を、東京に開発スタジオを置く、一風変わった連携スタイルでゲーム開発を行っています。
「NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム2」のインタラクティブアクションのリアルタイムデモ制作・ディレクションを担当した竹下勲氏。そして開発部門統括、東京スタジオの責任者の渡辺雅央氏に、開発メンバーが目指す「神作画」へのアプローチを同作の中での制作事例と共にお話いただきました。
なお、本インタビューは、同社の東京スタジオにおいて、渡辺氏同席のもと、福岡本社とTV会議システムを使用して行いました。

プロフィール

竹下 勲(写真左)株式会社サイバーコネクトツー リードアーティスト。2004年入社。開発タイトルは「ナルティメットヒーロー」シリーズ「ナルティメットアクセル」シリーズ「ナルティメットストーム」シリーズ。開発に携わる傍らで、2010 年CEDECにて、2011 年GDCにて、「ナルティメット」シリーズ超アニメ表現に関する講演を行い、好評を博する。
渡辺 雅央(写真右)株式会社サイバーコネクトツー ゼネラルマネージャー/サイバーコネクトツー東京スタジオ 責任者。1999年入社。開発タイトルは「サイレントボマー」、「.hack//」シリーズ (全4巻)、「NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー」シリーズ、「.hack// G.U.」シリーズ (全3巻)。現在は、ゼネラルマネージャーとして開発全体に関わる他に、同業他社との技術交流会開催、CEDECの運営に携わる等、社内外に問わず、幅広く活動をしている。

「NARUTO-ナルト- ナルティメット」シリーズの開発に携わり続けた7年間

―― 竹下さんのゲーム開発者としてのキャリアは「NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー2」(以下、ナルティメットヒーロー2)からスタートされたわけですが、直近のタイトル「NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム2」(以下、ナルティメットストーム2)では、どのような業務に携わっておられるのでしょうか。

竹下 「ナルティメットストーム2」では、インタラクティブアクションと呼ばれる、ゲーム中のリアルタイムデモの製作と、ディレクションを担当しました。
サイバーコネクトツーに入社して、「ナルティメットヒーロー2」制作の中で「奥義」の演出の部分の作成を行って、そこから「ナルティメットヒーロー3」、「ナルティメットアクセル」、「ナルティメットアクセル2」、「ナルティメットストーム」、まで奥義を担当しました。その後、「ナルティメットストーム2」では、インタラクティブアクションとボスバトルのディレクションを担当しています。

 「ナルティメットストーム」から、巨大な敵と戦う「ボスバトル」モードと「インタラクティブアクション」というリアルタイムデモが搭載されまして、そこでは専属ではなかったんですけれども、制作後半あたりから、インタラクティブアクションの方も、奥義と並行して担当していました。

―― 制作には、どういったツールを使われてきたのでしょうか。

竹下 ナルトシリーズを作っているときのDCCツールは3ds Maxになります。バージョンはそれぞれの時期で最新のものを使用しています。その他に、インゲームのムービーですね。あと場合によってはタイトルロゴアニメーションの制作も行っています。そこでは、AdobeのPremiere、Aftereffects、それは一通り触っている状態です。

―― インゲームムービーとロゴは、動画として製作されているわけですね。

渡辺 オープニングやエンディングのみの凄く限られた箇所ですが、ムービーを使うときがありまして、ゲーム中に出てくる演出に関しては全てリアルタイムでの描画を行っています。

―― それはシリーズを通しての制作スタイルなのでしょうか。

渡辺 通して、ですね。ムービーにすると容量が大きすぎますのでディスクに収まらないんですよ。リアルタイムで見せたいというのが弊社の基本的なスタイルですから。奥義演出とかインタラクティブアクションと呼ばれているものを作る際には、3ds Maxで作って、ほぼそこで実機と同じ見た目には見えるのですが、やっぱり差異はあります。それを確認するために、その開発機上で動作するプレビューツールを用意しており、そちらで最終的な見た目などを確認、調整し、データとして最後に出力するという流れをとっています。

―― そのプレビューツールは、ハードウェアメーカーさんから提供されているものですか?

渡辺 いえ、弊社内で作成しました。独自のフレームワークで描画を行っていますので、そのフレームワークに乗っ取った独自のビューワーがあるという訳です。

―― 全プロジェクトで共有するためのツールとして開発されたということでしょうか。

渡辺 いいえ、「ナルティメット」シリーズのプロジェクトオンリーですね。まだPlayStation2のころは「.hack」シリーズとほぼ同じような環境があったんですけども、PlayStation3になると、弊社の開発タイトルが「ナルティメットストーム」のみということもありましたので。

―― そのツールはどういった経緯で作られたのでしょうか。

渡辺 社内のプログラマーが、再生ツールを自主的に作りまして……。それが奥義チームとか、他のいろんなゲーム中のバトルモーションとかのプレビューもできるようなツールだったので、そういったスタッフと話をして、細かいところをつめていきながら、改良を重ねていったという感じですね。

アニメーションビューアーのスクリーンショット

「ナルティメットストーム」シリーズで実現した新たなモーション技術

―― では最新作の「ナルティメットストーム2」に関するモーション技術についてお伺いしていきます。

竹下 そうですね、モーション技術についてでしたら、「ナルティメットストーム」から語るほうが、わかりやすいかもしれません。
基本的に、「ナルティメットヒーロー」シリーズはコミックを意識していたんですけれども、「ナルティメットストーム」は劇場版アニメというものをかなり意識しました。アニメ独特の動きを再現するために、ボーン自体に補助ボーンを入れて、殴ったりするたびに綺麗にちょっと一瞬、曲線を描くようなラインを作れるようにセットアップの段階から、ある程度、計算しているモデルで作られています。

アニメ的な表現をするためのボーンを増やしたモデル

渡辺 人間として骨格が正しいかどうかよりは、アニメ的表現として綺麗に見えるように、ボーンをセットしていくというのが、弊社のやり方です。

―― 補助ボーンを設定することになったきっかけ……設定すると気持ちよく見える、アニメっぽく見えることに気がついたきっかけはどんなものだったのでしょうか。

渡辺 アニメからの逆算という感じです。「アニメがそうなっているからそうした」みたいな。実際に画像を見ながらご説明していきましょう。こちらが普通にボーンを作ったものです。人間の骨格に基づいています。

標準的なボーンでアニメーションをつけたモデル
骨格を増やしたボーンでアニメ的な表現をしたモデル

―― いわゆる普通の骨格ですね。

渡辺 でもアニメを見ると、「しなり」とかですね、「溜め」があります。これを表現するためには、人間が本来そこに関節が無いであろうというところにも、関節を入れる必要があるんだ、というところからこうなりました。アニメを見て、それをいかに実現するかとなると、本当に変な話ですけれども、「そこにボーンを入れるしかない」という感じになったので。

―― キャラクターごとに補助ボーンの数や位置は変えてらっしゃるんですか?

スケールがかかるようにセットアップされたボーン

竹下 基本的には同じボーン構造になっています。ベースは一緒ですが、服や髪の毛などの「揺れ物」は各キャラクターによって違うので、そこはキャラに合う形でボーンを仕込んでいます。先ほどご説明したような、「しなり」を表現するところというのは、全キャラ共通で必要なので、ほとんど同じ場所に入っています。

渡辺 PlayStation3になって扱えるボーン数が増えたので、そういったことも出来るようになったというのが大きいですね。

竹下 それから、もう1個大きいところは、ボーン自体にスケールをかけているところです。アニメの表現で、画面手前に手や足が来たときにすごく大きくするだとか、例えば上から見たときに魚眼で見たように頭でっかちで、身体が小さいというような表現、そういったものもゲーム内で表現したかったので、ボーン自体にスケールがかかるように、セットアップをしています。

渡辺 私の勝手な見解なので、もしかしたら違うかもしれませんけれども、アニメーションデータは、位置情報と回転情報のみで行っている会社さんは結構多いと思っています。なぜならスケールというのは普段やはり、1・1・1ってXYZを出してそれぞれ1.0が入っていれば大丈夫で、全体でスケールがかかる、かからないに関しては、ボーンが持つ情報ではないので、計算を省くためにも、そうなっていくのが多いんですけれども、あるタイミングから、3ds Max上でスケール情報が正しく取れるようになりまして。
ちょうど同じようなタイミングで、弊社の奥義を作っているチームの人間や、モーションを作っているチームの人間からも、なんとかしてスケールを出力してもらえないかと相談がきまして、ちょうど私がプラグインを作っていたんですけれども、「出るようになったのでちょっと出してみよう」と。そうしたら、こんなに面白い表現が入りだした。

―― その表現はツール側のアップデートによって実現をしたと。

渡辺 以前からはスケールのデータを保持はしていたようなんですけれども、正しく出力されない状況だったのが、正しく出るようになってきたということですね。

―― Autodesk社に働きかけたというわけではなく、試してみたら使えるようになっていたということですか?

渡辺 本当にもうたまたまですね。計算はもちろん、普段だったら移動と回転だけで済むのが、移動、回転、スケールとなるので、1個増える状況ではありますけれども、幸いにも対戦格闘ゲームですので、その負荷もそんなに比重がかかる部分ではなかったという点からも、対応することができました。

(続く)

このインタビューの続きは、2011年7月1日に発売される予定の書籍「デジタルゲームの技術 開発キーパーソンが語るゲーム産業の未来」でご覧いただけます。

デジタルゲームの技術 開発キーパーソンが語るゲーム産業の未来

著者 松井 悠
仕様 A5版 336頁 1色
定価 2,730円(予価)
刊行 7月1日予定
出版 ソフトバンククリエイティブ
「NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム」
「NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム2」
©岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
©2008 NBGI
©2010 NBGI
筆者紹介/ 松井 悠 (編集部)
フリーライターとして1996年より活動。得意なゲームジャンルは、Player VS Playerのゲーム全般。 デジタルゲームを競技として捉える「e-sports」の普及のため、IGDA日本デジタルゲーム競技研究会世話人、世界最大のデジタルゲーム競技大会World Cyber Games日本プロデューサーや、中韓政府主催のInternational E-sports Festival日本プロデューサーを務める。 2011年より、オンラインゲーム「C9」公認ナビゲーター。2012年より、「Red Bull 5G」プロジェクトアドバイザー。近著に「デジタルゲームの教科書」、「デジタルゲームの技術」(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)。

『デジタルゲームの技術』出張編

「デジタルゲームの教科書」シリーズ第2弾として発売される、『デジタルゲームの技術 開発キーパーソンが語るゲーム産業の未来』に収録されている全9人のインタビューの一部をご紹介していきます。
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