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私が韓国eスポーツの取材中、以前から顔見知りのとあるプロゲーマーと廊下でばったり会いました。世間話をしているときに「ソギョンジョン解説委員にもごあいさつしたいんですが……」と申し出たところ、すぐに本人を呼んできてくれました。そして話の流れでインタビューにも応じてくださることになり、後日改めてソギョンジョン解説委員に会いに行ってきました。
それでは、日本初となる、元スタークラフトのプロゲーマーであり、現在はMBC GAMEの解説を務めるソギョンジンさんへのインタビュー記事をご覧ください。
ソギョンジョン(서경종) プロフィール
種族:ザーグ
チーム:MBC GAME HERO
生年月日:1987年3月7日
現在MBC GAME 解説委員
プロゲーマーから、e-sports解説者へ
―プロゲーマーになったきっかけは
僕がちょうどいろいろなゲームをやっている時だったんですが、PCバン(ネットカフェ)でスタークラフトの上手い人を見てかっこいいなと思い、スタークラフトを始めました。そしてテレビでプロゲーマーを見て自分もプロゲーマーになりたいと思い、大会に出始めたのがきっかけです。
-プロゲーマー時代はどんな生活をしていましたか
16~18歳ぐらいまでの3、4年間は学校に通いながら週末だけ練習室に通っていました。18歳のときに宿舎の近くの学校に転校し、卒業後合宿生活に入りました。
当時はチームの体制が整っておらず、2006年のMBC GAME HERO設立後から変わったと記憶しています。9時から昼休みを挟んで18時までが規定の練習時間で、その後は自由練習の時間でした。他のチームはもっと夜遅くまで練習するなど厳しかったんですが、この自由な練習形態がうちのチームには合っていて優勝もしました。うちのチームが優勝してからは、他のチームもうちの練習形態を真似するようになりましたね。
-解説者になったきっかけは
プロゲーマー時代から、いつも解説者になりたいと思っていたんです。解説者はプロゲーマーより自由時間が多い上に給料もいいんです。それでいてゲームそのものからかけ離れすぎていない仕事ですから、解説者はeスポーツ界最高の仕事だと思います.
実はうちの両親はプロゲーマーという職業に対してあまり良く思っておらず、引退したらどうするのかと聞かれるたびに解説者になると説得していました。その時は両親を説得するための手段でしかなかったのですが、実際に成績が思わしくなくなってから、解説者への道を真剣に考えるようになりましたね。
スランプになったときに、プロゲーマーの仕事が面白くない、新人時代のように頑張れないと思っていた矢先に親しいプロデューサーから「放送をやらないか」と持ちかけられたのがきっかけです。その前にも何度か誘われてはいたのですが、それまでは断り続けていました。
-解説者になった現在はどんな生活をしていますか
とりあえず8月までプロゲーマーの契約が残っているので、今はまだゲームチームの宿舎で生活しています。僕はメイン種族がザーグなので、テランやプロトスに関する細かい部分は良く分からないんです。他のプロゲーマーもたいてい自分のメイン種族以外の種族については大まかなことしか知らないものです。でも解説するにあたって他の種族に関する知識も必要になってくるので、テランやプロトスのチームメイトにいろいろ質問をしています。
※ | スタークラフトには3つの種族があります。テランは人類で、武器などを生産して軍事力を高めていきます。ザーグは虫のような生物で、自身が進化することで強くなります。プロトスは高度な文明を持つ種族で、魔法のような特殊能力を駆使します。 |
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またプロリーグやスターリーグ、MSLを見ながら自分で解説の勉強をしています。もちろん会場に足を運ぶこともあります。それ以外には発声塾に通っています。プロゲーマーはゲームを頑張れば良いのですが、解説はどうすれば上手くなるかよく分からないので今はまだあれこれ悩んでいるところですね。
-プロゲーマーと解説者の仕事を比べるとどう思いますか
プロゲーマーはとても過酷な職業なので、もう一度チャレンジしたいとは思わないです(苦笑)。でもプロゲーマーとして成功すれば、とてもかっこいい職業だと思います。結局eスポーツの主人公はプロゲーマーですから。だけど僕に合っているのは、やはり解説者の仕事だと思います。
-今後の目標は
最高の解説者になることです。2、3年後には軍隊に行かなければならないので、ongamenetのキムジョンミン解説委員のように、除隊後も解説者として戻ってくるべきだと思われるような解説者になりたいです。自信はありますが、そこが勝負どころだと思っています。
※ | キムジョンミン解説委員:プロゲーマー出身の解説者。2006年に解説者デビューし、名解説者として絶大な支持を得るも2009年5月に陸軍入隊。2年間の兵役の義務を終えた2011年4月に解説者として復帰した。 |
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韓国スターたちとの交流
-芸能人と親しくなったきっかけは
最初はうちのチームの前の監督を通じて、SHINHWAのシンヘソンさんと知り合いになりました。ヘソンさんも僕と同じザーグなので一緒にゲームしたり僕の練習のオブザーバーに入ったりしていたんですが、ある時SuperJuniorのギュヒョンが一緒にオブザーバーに入って来たことがあったんです。そこでチャットをしていたらギュヒョンと僕が同級生だと分かり、すぐに仲良くなりました。その時ギュヒョンは仕事で中国にいたのですが、韓国に帰国してすぐ空港から電話をくれて、会おうということになったんです(笑)。
※ | シンヘソン:90年代後半にデビューしたK-POPグループSHINHWAのメインボーカル。現在は主にソロシンガーとして活躍している。 |
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※ | ギュヒョン:韓国のみならず中国などアジア各国でも大人気のK-POPグループSuper Juniorのメンバー。 |
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会ってからは、お互いに気になることをいろいろと聞き合いました。僕も芸能人に興味があったし、彼もプロゲーマーに興味があったので、話は尽きませんでしたね。
東方神起のシアジュンスさんも、最初はヘソンさんがオブザーバーとして入ってきているところに一緒に入ってきたりしていたんです。ところがある日、いつものようにゲームをしていたらジュンスさんから映画でも観ようと誘われて、男同士で映画を観に行ったんです。その時初めて会って仲良くなりました。
-では、芸能人サッカーチーム「MEN」に入ったきっかけは
サッカーチームはジュンスさんが団長なんですが、最初はみんなが一緒に余暇として草サッカーをやっていたんです。ところがSS501のリーダーであるキムヒョンジュンさんやBEASTのメンバーなども参加するようになり、いつの間にかアイドルサッカーチームのようになっていたんです。そしてKリーグのプロチーム「水原三星ブルーウィングス」から支援を受けることになり、芸能人サッカーチームが誕生しました。
※ | キムヒョンジュン:K-POPグループSS501のリーダー。テレビドラマの韓国版「花より男子」等に出演し、俳優としても人気を得ている。 |
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※ | BEAST:2009年にデビューしたK-POPの男性6人グループ。これまでに3枚のアルバムをリリースし、音楽チャートで1位を獲得するなど人気を博している。 |
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-サッカーチームを通じて日本のK-POPファンの間でもソギョンジョン解説が少し知られるようになりましたが、日本のイメージや印象、関心のある分野などはありますか
以前からずっと行ってみたいと思っていた国で、昨年9月にチームメイトたちと一緒に旅行で初めて東京を訪れました。原宿をはじめいろいろと有名な場所に行ったんですが、どこも本当によかったです。食事がとても美味しいし、どこへ行っても日本人はマナーがとても良くて印象がとても良かったです。チームメイトたちも日本が気に入って是非もう一度行こうと話し合っていたのですが、日本で大きな地震があったのでとりやめになってしまいました。でも今は、再び行くタイミングを考えているところです。
-理想のタイプはどんな女性?芸能人に例えると誰?
背は高すぎず158~163ぐらいがいいです。野心のある女性もかっこよくていいですが、僕は平凡で僕のサポートを良くしてくれるような女性がいいですね。芸能人?うーん……女優のハンジミンさんのような人がいいですね。結婚式場で一度お会いしたことがあるんですが、心優しい人でした。
-最後に日本のスタークラフトファンやK-POPファンにメッセージをお願いします
日本のK-POPファンの皆さん、芸能人ではない僕にまで関心を持ってくれてありがとうございます。皆さんには、今後も引き続きギュヒョンやジュンスさんのファンでいてもらいたいです。二人は性格もすごく良くて、愛される理由のある魅力的な人です。
日本のスタークラフトファンの皆さん、韓国eスポーツに興味を寄せていただいて本当に感謝しています。もし解説者としての僕にも関心を持ってくれているなら、それは本当にありがたいことです。プロゲーマー時代はゲームでいいところをお見せすることができなかったので、解説者としてファンの皆さんに恩返しができたらいいなと思っています。
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