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  • インタビュー

IGDAフィンランドチャプター世話人、ソンヤ・カンガスさんインタビュー

Antti Szurawitzki(アンティ・シュラウィツキ)(カルチャーライズ・スペシャリスト) 2011-06-21

「ボランティアからプロへ」IGDAフィンランドチャプターのリード・コーディネータは未来を目指す

日本の皆さんこんにちは!
フィンランドのアンティです。今回は、IGDA(国際ゲーム開発者協会)フィンランドチャプター(支部)の世話人、ソンヤ・カンガスさんに、チャプターの活動内容をお伺いしてきました。
もっと知りたい読者様は、IGDAフィンランドチャプターのウェブサイトをご覧ください。

ソンヤ・カンガス(Sonja Kangas)
IGDAフィンランドチャプターのリード・コーディネータ
Digital Chocolate ヘルシンキ・スタジオのゲームプロデューサー
さまざまな大学、専門学校で講師としても活動

チャプター(支部)の概要について

IGDAフィンランドの公式サイト

IGDA(国際ゲーム開発者協会)の全チャプターの中、フィンランドチャプターが最も忙しい支部の一つであるのは間違いないでしょう。

結成した2003年当初はゲーム開発者3人によって始まった無礼講なバーナイトでしたが、段々とゲーム開発業界の人の集まる会合になってきました。

2007年フィンランドチャプターはIGDAでもっとも活動的なチャプターに贈られるMVP賞を受賞し、現在でも積極的にさまざまな活動を行っています。

国内の個人会員は約140人、法人会員は5社です。また、学生会員は約20人もいます。

ゲーム会社の多くはヘルシンキ地方に位置していますが、学生会員のほとんどはタンペレ大学、またはトゥルク大学の学生です。タンペレ大学には「Score」というゲーム開発クラブがあります(タンペレ市はヘルシンキの北に位置する都市で、テゥルク市はヘルシンキの西に位置する都市です)。

フィンランドチャプターの活動

Facebookで告知されているイベントナイト

夏季を除き毎月、「IGDAイベントナイト」が開催されています。

開催場所はヘルシンキ市内の広めのバー「Cuba」です。イベントスポンサーのおかげで、入場料はかかりません。来場者の大部分はゲーム開発者ですが、だれでも大歓迎です。

イベントの目的のひとつは、若い学生たちもゲームデベロッパー界に迎えることなのです。

ときどき、バーでは、ゲーム会社がリリースしたばかりゲームやゲームのデモ版を紹介することもあります。例えば、2011年6月のイベントでは、Redlynx社が今夏の発売予定のWiiウェア向けタイトル『MotoHeroz』を、そしてRecoil Games社はPS3用のPSNタイトル『Rochard』のデモ版を発表しました。

Redlynx社が今夏の発売予定のWiiウェア向けタイトル『MotoHeroz』

イベントによっては、講演するゲームデベロッパーの方、及びゲーム研究者の方も参加します。
一般的に、私たちIGDAフィンランドはその方々に連絡をとりテーマを提案しますが、GDCのような国際会議で講演した方がIGDAイベントナイトで同じ講演をすることもあります。

例えば、2011年3月のイベントナイトでは、Remedy社がGDCで提供した講演を無料で公開しました。

チャプターでの主な言語は英語です。イベントの講演も、チャプターのホームページも、すべて英語です。
なぜならフィンランドのゲーム業界で働いている人は外国の方が多いからです。
引越しをしたばかりの国で友達をつくるのは簡単ではないので、イベントナイトに気軽に参加したら、フィンランド語が話せなくてもゲームシーンの優しい人と知り合うことができます。

最近ではフィンランド語でのニュースレターも出来上がりました。フィンランドのゲーム業界の最新情報をまとめたメール・ニュースレターです。とはいえ、ニュースレターの客層はゲームデベロッパではなく、国内の報道関係者のための情報経路ですね。

学生会員も忘れてはいません。不定期ではありますが学生を対象にした活動もあります。
たとえば、学生がゲーム会社を訪問し、開発現場を目の当たりにする機会を用意しています。企業との協力は円滑に行くことが多いですが、教育機関との連携はまだまだ簡単ではありません。今後さらなる協力関係を築くことができれば大変望ましいことです。

チャプターの国際化に向けて

他の北欧の国も、ゲーム開発及びゲーム研究の盛んなシーンもありますが、スウェーデンとデンマークのIGDAチャプターはフィンランドに比べて会員数が少なく、イベントなどもあまりありません。したがって、全欧州での協力関係は今のところ活発ではありません。

世界中のチャプターとのメールのやりとりはたくさんありますが、実は、ソンヤ・カンガス氏も他国の代表者と会うことはそれほどないのが現状です。

IGDAフィンランドチャプターは、全チャプターと同様に、IGDAの傘下です。

しかし、現在、チャプターはフィンランドで法的に登録された協会ではありません。つまり、チャプターで働いている方は皆ボランティアです。誰にも給与が支払われていません、企画予算もありません。それは国際化することに対して重要な問題です。

たとえば、チャプターの代表者の出張、または海外の代表者を招待するのは今の形では不可能です。この弱点をなくすために、フィンランドチャプターは登記社団になることを決断しました。登記社団は、非営利団体と同じように、スポンサー及び政府のような機関から資金提供を受け取ることができます。

そうすると、従来のボランティアの活動はある程度までプロの仕事に変遷するでしょう。国際化のみならず、例えばプロのウェブデザイナーを採用することもできます。予定通り行けば、2012年春には、IGDAフィンランドチャプターは登記社団になるでしょう。

会員の役に立つ活動のために

今までも、これからも、チャプターの理念は次のように総括できます。

だれでも歓迎」です。

そしてチャプターの活動は会員によって成り立ちます。
「フィンランドのゲーム開発者がIGDAの活動の価値を評価して欲しいです」と、ソンヤ・カンガス氏は語ります。「その目標に到達することができれば、チャプターの仕事は効果があると思います」。

IGDAフィンランド
http://igda.fi/
写真:ソンヤ・カンガス、IGDAフィンランド
筆者紹介/ Antti Szurawitzki(アンティ・シュラウィツキ) (カルチャーライズ・スペシャリスト)
1978生まれ。ヘルシンキ大学世界文化研究所で極東アジア研究を専攻し、2010年修士卒業。2003年から様々なゲーム開発会社で働き、現在はDigital Chocolateのヘルシンキ・スタジオでカルチャーライズ・スペシャリスト。有名ではないのに、友達はいっぱい:) 面白い話をしたい方はantti.szurawitzki@gmail.comまでご連絡ください(日本語対応も可能)。
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