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前回「スタークラフト女子座談会」の前編をお送りしましたが、今回はその後編になります。スタークラフト女子たちのさらにコアなガールズトークの世界を覗いてみましょう。
スタークラフト女子座談会参加者
スタークラフト女子の記憶に残る試合たち
スイニャン:では今度は観戦していて面白かった試合や、印象に残っている試合について教えてもらえますか。
びっきー:あの、私観戦ってしないんですけど…。
スイニャン:代々木であったRazerの大会※見に来てたじゃない。kurOa選手も出てたし。kurOa選手の vs breek戦とか vs SorrowRush 戦とかすごく面白かったけど。
※ | Razerの大会:2011年2月26日に東京・代々木のワイプで行われた『Razer SC2 Tournament』のこと。 |
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びっきー:えへへ。あの時はPixtar選手のSCV※がぞろぞろ行くやつが面白かったなぁ。ああいうの初めて観て、ええっ、こんなのアリなの?ってすごく衝撃的だったんですよ(笑)
※ | SCVとは、テランの資源採取ユニットの名称。SCVがぞろぞろ行くというのは、序盤に攻撃ユニットとともに資源採取ユニットも前線に送るオールインラッシュのこと。 |
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nok:私はカンミン[Nal_ra]選手がハルシネーション※リコール をした試合ですね。彼は「夢想家」と呼ばれていたように、他の人がしないような独創的なプレイが魅力です。でも決して思いつきではなく、念入りに練習してきたからこそ可能なプレイだと思います。私がスタークラフト1にのめりこむきっかけになった選手なので、今でも大好きだし尊敬しています。
※ | ハルシネーションとはハイテンプラーの特殊能力で、ユニットの幻影を作り出すこと。リコールとはアービターの特殊能力で、一定範囲内のユニットを瞬間移動させること。したがってハルシネーションリコールとは、アービターの幻影を多数作り出してから相手陣営にリコールすることで、アービターが狙い撃ちされるのを避けリコールの成功率をアップさせる戦略のこと。 |
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スイニャン:ソンビョング[Stork]選手の試合じゃないの?
nok:ソンビョング[Stork]選手の試合だと、2010年ウィナーズリーグのエース決定戦vsJaedong戦が印象に残っていますね。最後まで勝敗の行方が分からないほどのハイレベルな戦いでした。一つのプレイで勝敗が分かれるスタークラフト1の魅力を再確認した試合です。ソンビョング[Stork]選手は他のプロゲーマーに比べてAPMは低めですが、APMだけが選手の強さを決めるのではないということを証明している選手だと思います。でも強い選手に勝ったと思ったら新人選手にあっさり負けたりと、予測不可能なところも魅力だったりします(笑)。
スイニャン:私はスタークラフト2だったら、イジョンフン[MarineKing]選手の試合ですね。GSL Jun.ベスト8のイジョンフン[MarineKing] vs イユンヨル[NaDa]はすごく印象的でした。ベーストレードのようになって建物全部浮かせて…Timbaだなって思いました(笑)。それとGSL OPEN Season2ベスト8のハンジュン[Kyrix]選手との試合も印象的でしたね。マリーンのスプレッドでベインリングを全滅させてしまうなんて革命的だと思いました。ここで革命という言葉を使いましたが…。
nok:キムテギョン[Bisu]選手ですね!
スイニャン:そうです!スタークラフト1のキムテギョン[Bisu]選手は革命家というニックネームがついているんです。具体的にはやはり一番最初のMSL決勝戦の3.3革命※の試合かな。対ザーグ戦であれだけコルセア・ダークが活躍できるとは 、ゲームを作った側も思っていなかったんでしょうね。そういう革命的な選手たちがすごく魅力的だと思います。
※ | 3.3革命:2007年3月3日『GOM TV MSL Season1』決勝戦で、当時は新人選手であったキムテギョン[Bisu]選手がトップ選手のマジェユン[sAviOr]選手を3:0で破り優勝を果たした。 |
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スイニャン:ではスタークラフトを始めて良かったなと思う点と、あまり良くないなと思う点を挙げるとしたらどんなことがありますか。
nok:プロリーグ観戦は韓国語の勉強になりますね。情報が韓国語か英語のみなこともあり、おかげさまでずいぶん読み書きができるようになりました。あとやっぱり追っかけは楽しいですね。それからStarcraft Timesで試合の取材などをさせてもらって、優勝選手に直接インタビューをするなど貴重な経験ができたことはとても良かったです。あまり良くない点は、とにかく時間を食うこと。観戦していて気づくと夕方になっていたりして、いつの間にこんな時間になってしまったんだということもしばしばあって、それがちょっと問題ですかね。
スイニャン:私はもう良い意味でも悪い意味でも生活が変わってしまいましたね。日常生活に支障をきたすレベルまで来てますからね。
nok:分かります!大事な試合の日に飲み会なんてあると数日前から具合悪いフリして、当日はマスクして会社行ったりして今回は不参加で…なんてやったりしてますもん(笑)
スイニャン:そうそう、大事な試合の日は約束入れられないんですよね。でもスタークラフトのおかげで私も韓国語が衰えないっていうのは感じます。それにスタークラフト関連のお仕事も少しですが入ってきたりして、そういうのは良かったなと思います。
びっきー:私はスカイプに友達が増えたのが良かったなって思います。最初は二人ぐらいしかいなかったんですよ(苦笑)。
それがスタークラフトを始めてから友達が増えて、スカイプなんて立ち上がってるのかどうか分からないようなソフトだったのに、今はPCの右下にプクプクって友達のオンラインのサインが出てくるたびに嬉しくなります。悪いのは、寝る前にゲームすると夢にヴォイドレイ※ とかが出てくることですね。敵のユニットに追いかけられる悪夢を見てしまうんですよ。
※ | ヴォイドレイ:スタークラフト2で、プロトスの空中ユニットのひとつ。 |
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これからのスタークラフト女子の活動予定
スイニャン:では皆さん、最後に今後のスタークラフト関連の活動予定や目標を教えてください。
びっきー:マスター になることです!
スイニャン:あの…もうちょっと現実的な目標でお願いします(苦笑)。
びっきー:うーん、じゃあユニットや建物の名前を覚えることですかね。ザーグとか偵察に行っても何してるのか全然分からなくて、見るだけ損みたいな…。きのこみたいな建物が建ってるけど、あれがあると何が出てくるのかなーとかそんな感じなので、そういうのが分かるようになりたいです。
nok:私はソンビョング[Stork]選手の優勝です。
全員:それソンビョング[Stork]選手の目標でしょ(笑)
nok:あはは、まあソンビョング[Stork]選手の優勝を観ることですね。あとはとにかくスタークラフト1が好きなので、Starcraft Timesでニュース記事やまとめ記事などをこれからも頑張って書いていきたいです。
スイニャン:そうですか。私もStarcraft TimesやGAMER’S EXPRESSで頑張りたいですね。それから私の場合韓国へ行く予定があるので、またプロシーンを観て来ようと思ってます。それ以外だと今は、日本のスタークラフト界を盛り上げていきたい気持ちがとても強いです。あとは、今日みたいに女の子たちで集まってまた何かできるといいね。
全員:そうですね、是非。
インタビュー座談会を終えて
今回一番印象に残ったのは、「スタークラフト女子」という共通点はあるものの、実際にはそれぞれ自分のスタイルでスタークラフトを楽しんでいるということでした。座談会に参加したメンバーの他にもスタークラフト女子はたくさんいますが、スタークラフト1でも2でもプレイヤーでも観戦者でもなんでも構わないので、スタークラフトに興味を持つ女性がこれからもっと増えるといいなと思っています。最後に、座談会に参加してくださったnokさん、びっきーさん、ましゆさん、本当にありがとうございました。
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