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幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2012」内のCyACブースにて、9月20~22日の3日間にわたり『Asia E-sports Cup』が開かれました。StarCraft2部門ではアジア8か国から予選を勝ち抜いた強豪選手が一堂に会し、優勝をかけて熱い戦いを繰り広げました。
これまで私は各国の予選を配信等でチェックし、特にタイ予選では優勝者インタビューまで行うほどこの大会を楽しみにしてきました。レベルの高い試合が観戦できる喜びもさることながら、プロゲーマーファンにとってはパスポートを持たずして海外選手に会えるまたとないチャンスなのです!というわけで今回は、スイニャン目線の『Asia E-sports Cup』レポートをたっぷりお届けします。
選手初顔合わせの豪華オープニングセレモニー
大会前日の9月19日、ホテルニューオータニ幕張にてオープニングセレモニーが開かれました。StarCraft2とCounter Strike1.6の選手達とその関係者、ゲーミングデバイスメーカーやeスポーツ関係者、プレス等が集まって歓談する立食形式のパーティでした。
StarCraft2からはraZiel選手とMafia選手を除く6名の選手が出席。ほとんどの選手が初対面ということもあり最初は少し緊張した面持ちでしたが、時間が経つにつれて徐々に打ち解けていったようです。
8名の選手が全員出場!注目の開幕戦
9月20日、ついに『Asia E-sports Cup』開幕です!今大会では敗者復活のチャンスが与えられるダブルイリミネーション形式が採用され、初日にベスト8から敗者トーナメントのベスト4までが一気に行われました。大会全体の進行は女性MCの方が務め、試合の実況は日本最大のStarCraft2コミュニティサイト「Starcraft2 JP Community」運営者のmatsujun氏、解説は韓国を中心としたStarCraft2プロゲーミングニュースサイト「Starcraft Times」運営者のsugeo氏というコンビで、選手もさることながら実況解説陣も豪華な顔ぶれとなりました。
ベスト8は4試合が同時進行ということで、会場で実況解説が行われたのは日本代表のPSiArc選手と台湾代表で優勝候補のSen選手の一戦でした。途中PSiArc選手が優位に立つような場面もありましたが、やはりロングゲームになるにつれSen選手が実力を発揮しはじめ、セットスコア2:0でSen選手の勝利となりました。
次に、オーストラリア代表Mafia選手とタイ代表RedArchon選手の対戦の模様が実況解説されました。これが非常に熱い戦いで、両者一歩も譲らぬ一進一退の攻防が繰り広げられましたが、結局Mafia選手が粘りのプレイで勝利をもぎ取り勝者トーナメント決勝戦進出を果たしました。
その後会場では敗者トーナメントの続きが行われましたが、こちらは時間の都合で残念ながら実況配信はありませんでした。しかもここで我らが日本代表のPSiArc選手がタイ代表のRedArchon選手に2:1で惜しくも敗れ、トーナメント敗退となってしまいました。実はこの二人、以前に別のオンライン大会で対戦したことがあり、その時はPSiArc選手が勝利しているのでRedArchon選手が見事に雪辱を果たしたと言えるでしょう。
束の間の休息…日本を満喫する選手たち
9月21日に行われた試合は勝者トーナメント決勝戦のみで、対戦カードはMafia vs Senの一戦。試合内容もSen選手のワンサイドゲームといった様相で、2:0でSen選手がファイナル進出を果たしました。
しかし私個人的には、この日が選手たちと一番長く一緒に過ごした日となりました。前日惜しくも敗れたPSiArc選手、Petraeus選手、Blitz選手がこの日の試合を終えたSen選手ともに東京ゲームショウを見学すると言うので、私もついて行くことにしたのです。世界を飛び回るSen選手もこれほど大規模なゲームの展示会は初めてだといい、色々なブースで写真を撮りまくっていました。Blitz選手は色々なゲームに興味を持っていたようで、立ち寄ったFIFAブースでもゲームを楽しむなど束の間の休息を楽しんでいました。
余談ですが、この連載のインタビューで富士山へ行きたいと語っていたタイ代表のRedArchon選手は、この日念願の富士山へ行ったそうです。その後明治神宮で絵馬を書いて願かけをしている写真などもチームの公式ページにアップされており、かなり日本を満喫していた様子でした。
大勢の観客に見守られ、ついに優勝者決定
9月22日はこれまでのビジネスデイと違い一般公開日ということもあり、とにかくたくさんの人が集まっていました。興味を持ってくれた人がどれぐらいいたかは分かりませんが、StarCraft2を一目でも見てもらえたことに価値があると思います。もちろんStarCraft2ファンもたくさん見に来ていましたし、素晴らしいプレイが出るたびに会場からは大きな歓声が沸き起こりました。
試合は敗者トーナメント決勝戦Mafia vs Petraeusの一戦から始まりました。実はこのマッチアップ、初戦で対戦しMafia選手が2:0でPetraeus選手に完勝しているのですが、今回もやはりMafia選手が一枚上手といった感じでストレート勝ちを決めました。
これによりMafia選手がファイナル進出を果たし、前日に進出を決めていたSenと再び対決することになりました。1セット目、Mafia選手が持ち前の粘りの攻撃を見せ、Sen選手が今大会初のGG(降参)宣言。しかし続く2セット3セットではSen選手が徐々に自分のペースを取り戻していき、セットスコア2:1で見事Sen選手が優勝を果たしました。
観戦を終えて
今回私は会場で楽しく観戦していたのですが、実は初日にゲーム画面を取り込むことができないというトラブルがあり会場のスクリーンをビデオカメラで写し出す配信になってしまったそうで、その点はとても残念でした。しかしその後はきちんと改善されていたとのことで安心しました。参加選手たちも日本で試合ができたことを大変喜んでいましたし、私も日本で国際大会が見られて本当に夢のようでした。試合方式も非常に見ごたえのあるものでしたし、何より会場で観戦していた皆さんがとても楽しんでいる様子がうかがえました。今後もより多くの日本人に観戦の楽しさを味わってもらえるようなStarCraft2の国際大会が日本で継続的に開かれるよう切に願っています。
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