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ゲームの果て

第4回 二つの世界

三宅陽一郎(ゲームAI開発者) 2013-01-26
ゲームの果て

僕の故郷は瀬戸内海に面した小さい街ですが、とても美しい街です。この街からは空がとても美しく見えます。僕は中学も高校も大学も勉強と研究に明け暮れて、一人でいることが多かったですが、眺める空はいつだって、僕を科学的空想やファンタジーの世界に誘ってくれました。

人は生まれながらに二つの世界を与えられています。現実の世界空想の世界です。社会は現実世界で生きることを教えてくれますが、空想の世界で生きることを教えてくれる人はいません。二つの世界にはそれぞれ、素晴らしいところと危険なところの両面があります。我々は現実と同じように、空想の世界を旅する楽しさと危険を学ばねばなりません。そして、現実と空想、二つが体験となって人間の生涯を形作ります。

現実世界は肉体と、空想世界は内面と結びついています。ゲームはその中間にあって、物語を深くすれば人の内面の旅となり、アクションを重くすれば肉体的なゲームとなります。

RPGは、エンターテイメントである前に、人の内面への旅でもあります。だから物語の終末は、そのゲームをプレイする人の心の旅の終端でもなければなりません。その同期こそがRPGの醍醐味でもあるのです。

僕はスペインやベルリンやウィーンを旅した体験と同じように、RPGの大陸を旅した体験を大切に思っています。

その体験は今の僕を支える柱でもあります。おそらく、他のユーザーと同じように、RPG は既に僕たちの世代の原体験であり、同時に生きていく未来でもあります。だから、RPG を届けることは、その世界とビジョンで人を支えて行くことでもあるのです。

本連載は個人として発信されているものであり、所属する団体等とは関係ありません。
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筆者紹介/ 三宅陽一郎 (ゲームAI開発者)
1975年、兵庫県生まれ。京都大学で数学を専攻、大阪大学で物理学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。2004年からゲーム業界で人工知能の研究・開発に従事。IGDA日本ゲームAI専門部会設立(世話人)、日本デジタルゲーム学会(研究委員)、CEDECアドバイザリーボード。ACM、IEEE Computational Intelligence Society、AAAI、人工知能学会会員。共著『デジタルゲームの教科書』『デジタルゲームの技術』(ソフトバンク クリエイティブ)、翻訳書『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(ソフトバンク クリエイティブ)監修。「はじめてのゲームAI~意思を持つかのように行動するしくみ~」(WEB+DB PRESS Vol.68 技術評論社)論文、講演資料はWebブログを通じて公開している。

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第7回 ゲームにおけるキャラクターAIの賢さとは何か?

小説は現実と違います。しかし人間は文字を読みながら想像し、文字からでさえ、体験を作りだすことができます。虚構に現実感を与えるのは人間です。

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第6回 移り行くデジタルゲームの意味

デジタル世界の中で、どこにもつながらない閉じた世界と、どこかにつながって行く世界、この二つが乖離する以上、デジタルゲームはかつてのようなデジタル時代の予行演習(=ゲーム)の意味を完全に失っているのです。

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第5回 グローバリズムとローカリズム

グローバリズムには二つの考え方があります。一つは、世界で共通のスタイルを策定して、それにのっとって物事を進めようという考え方です。

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第3回 ゲームの価値は。

「かつてテレビゲームの価値は自明だった」 と言うと、少し大袈裟に聞こえるかもしれません。しかし、僕たちの世代は、ちょうど小学校3年生を境に、テレビゲームのあった時代となかった時代の境界を生きた世代です。だから、テレビゲームが拓いてくれた世界の広さを身をもって体験した世代です。

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第2回 何のためにゲームを作るか?

デジタルゲームは食べ物でも、自動車でもありません。この世界のインフラではありません。エンターテインメントであり、時に芸術でもあります。この二つである限り、ゲームは常に自分自身のアイデンティティを自分自身で問い続け証明しなければならない運命にあります。

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第1回 連載にあたって

こんにちは。三宅です。僕は日本の東京でゲーム開発、特に人工知能を専門にしています。まずおことわりをしなければならないのですが、この連載は個人として書いているもので自分のいかなる公的な立場とも関係しないものです。

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