- PC
- 連載

皆様、大変ご無沙汰しております。後編を書かなければと思いつつ、ついに年明けどころか新年度を迎えてしまいました……。実は私この間に、韓国ソウルに行ってまいりました。また新しい韓国eスポーツ事情などを次回以降お届けしたいと考えておりますので、今回までは昨年の振り返りにお付き合いください!今回は前回と違い、私スイニャンの個人的な振り返りとなります。
■梁詠善[TtApolloHRU]選手(台湾)
以前この連載で私のお気に入り選手として紹介したこともあるHRU選手。残念なことに2012年7月をもって引退してしまいました。『TeSL(Taiwan e-Sports League)』のスタークラフト2部門発足当初から活躍していましたが、実は平日は屏東で公務員として勤務し、週末になると高速バスで5時間弱かけて台北まで来てプロゲーマー活動を行うという二足のわらじ生活を送っていたのです。しかしそのような生活に終止符を打つべくプロゲーマーか公務員かでずっと悩んでいたそうで、彼は結局後者を選びました。現在は大会運営に関わりつつ自身もアマチュア大会に出場するなど、eスポーツ界で引き続き活発に活動しています。しかし私を含め多くの台湾ファンが、HRU選手のいないTeSLに今でも寂しさを感じています。
■ウジョンホ[KT_Violet]選手(韓国)
私にとってこのニュースは、2012年の韓国eスポーツ界で一番衝撃的で一番胸の痛いものでした。2011年1月に白血病の診断を受け闘病中であったViolet選手が2012年8月23日、享年23歳という若さで亡くなったのです。Violet選手は2007年にKTF MagicNs(現KT Rolster)へ入団。翌年ごろから徐々に頭角を現し、2010年にはチームの主軸選手としてプロリーグ優勝にも大きく貢献しました。私は彼と直接会って話したことはありませんでしたが、Twitterを通じて交流をしていました。彼とのやりとりの中でスタークラフト2を始めたことや2012年に復帰したい旨を聞き、復帰したらインタビューをさせてもらう約束もしていたのですが、残念ながら叶わずじまいとなってしまいました。Violet選手、どうか天国で安らかに。
■胡翔[MacSed]選手(中国)
2012年の一年間を通じて私が配信やVODで一番観戦したのは、恐らくMacSed選手の試合でしょう。この連載でもレポート記事を書かせていただきましたが、『NGF / GeForce LAN 2012』で私は運良く彼のオフライン初優勝の瞬間に立ち会うことができました。それ以来注目をしてきたわけですが、他のさまざまな大会でも良い成績を収め続け、12月に行われた『World Cyber Games 2012』でも3位に輝くなど今まさに乗りに乗っている選手と言えるでしょう。この連載でも彼のインタビューを行いましたし、中国国内での人気もうなぎのぼりといった雰囲気で、2013年も引き続き注目の選手です。
■最後のOSL決勝戦・チョンミョンフン[Fantasy] vs ホヨンム[JangBi]
2012年8月4日、韓国ソウルの蚕室(チャムシル)学生体育館にて、『Tving StarLeague 2012』の決勝戦が開催されました。『Ongamenet StarLeague』(OSL)は2000年から始まった「StarCraft BroodWar」いわゆるスタークラフト1の個人リーグなのですが、今大会をもってその13年の歴史に幕を下ろすとのことで、多くの観衆が詰めかけました。わたしもこの歴史的な瞬間を見逃すまいと現地で観戦してきたのですが、純粋にゲームを楽しむというよりはさまざまな思いが交錯して、とにかく1セット目から涙が止まりませんでした。
複雑な心境は半年以上経った今でも変わっていません。気持ちが落ち着いたらどこかに書き残そうと考えていたのですが、一向にその気配がないので、2012年の振り返りを機にここに短く記しておこうと決めました。スタークラフト1がなければ今の私はなかったと言っても過言ではないでしょう。読者の皆様に共感してもらえるとは思っていませんが、私にとってこのゲームは人生をも変えてしまうほどの大きな存在であり、愛すべきもの、忘れ難いものなのです。そしてスタークラフト1への未練を捨てきれない人は韓国を中心に中国や欧米にも多く残っているということを、皆様にも知っていただければ幸いです。
http://sc-times.net/